先日、ただ話し合うだけの催しに2つほど参加した。
一つは京都芸術センターで開催中の、コレクティブ「スローングスパゲッティ」によるオープンミーティング。
もう一つは焚-TAKI-にて開催されたKyoto Art Meatsというイベントだ。
現在清水エリアに住んでいる私は、京都芸術センターに向かうために西に向かっていった。
大きなバイパスを抜けた先に繋がる五条通は車線がおおく、道がとにかく広い。
あまり京都ではみない交通量に毎回すこしビビる。
鴨川をわたったあたりで、そういえば気になる電化製品があることを思い出した私は京都駅付近にあるヨドバシカメラに立ち寄ってから芸術センターに行くことにした。
あまり通ったことのない道を選んで歩いたつもりが、気づけば馴染みのある道に出てきてしまう。少しずつ京都の知らない場所が減ってきているのが嬉しいようでもあり、寂しいような気もする。
京都駅付近のエリアに出ると、大きなマンションやオフィスが増えていき、どんどん京都的ではなくなっていく。京都芸術大学がこのエリアに移転してきたことによる影響はまだそこまでわかりやすくは現れてはいないけれども、多分このあたりも5年くらいしたら若々しさがでてきたりもするのだろうか。
ヨドバシカメラに入って気になる階に移動する。
PCを取り扱っている階についたけれど、今回気になっているのはPCではない。
電子辞書、電子メモのエリアに置かれているそれはポメラDM250だ。
ポメラは電子メモとしてキングジムが展開している、いわば現代版小型ワープロである。
見た目は小さなPCのようではあるけれども、ネットをブラウジングする機能はなく、文章作成と辞書を引くことくらいしかできない。
けど私が散歩先ですることといったら本を読むか、こういった散歩の記録を書き留めていくことくらいだ。
そうなるとせっかく電子書籍端末や文庫本などのスマホ以外の選択肢を選んでいるのに、肝心のテキストを各作業になるとインターネットの誘惑が画面上の通知欄から流れ込んでくる。
せっかくならテキスト作業もオフラインで完結できるものがあったほうが気も楽なのではないか。
ということでポメラを見に来たのだった。
事前に調べていたよりも実際のポメラは大きく、画面が見やすい。
けれども肝心のキーボードの打鍵感やキーピッチなどによる快適さはぼちぼちといったところだった。
普段室内ではHHKBの英字配列キーボードを使っている私としては、この打鍵感の落差や日本語配列のみの展開がすこしネックだが、普段使っているボディバッグにすっぽりと収められるサイズ感だということも把握できた。
ポメラ、使用感さえ慣れてしまえば結構ありだなと思った。
ポメラに求めているのは快適な操作性(高いに越したことは無いが)というよりは作業の没入度とモビリティだ。
正直これのキーボードがもっとしっかりした打鍵感で、かつ画面がEinkなどの目に優しいモデルだったらもっと分厚くてもいいから即買いだったと思う。
あくまで検討中だが、なしではない。
予定外ではあったけれども、ふと見ていて惹かれたのはサーフェスのLaptop goだった。
いいサイズ感でテキストワークなどの事務仕事をするのであれば必要最低限のスペックとサイズ感。そしてものとしての作りの良さを実感できるようなクオリティだった。
すこし調べてみると2025年中に11インチサイズのLaptopシリーズが登場予定らしい。
普段使っているボディバックにもスムーズに入るサイズだし、ここはサーフェスの11インチサイズの展開を待つのもいいかもしれない。
そんなこんなでヨドバシカメラをでて、芸術センターのある烏丸御池エリアに向かう。
ここもやはりオフィス街だ。
でかいビルがずっと続く道は散歩しがいがあまりない。
芸術センターに到着し、スローングスパゲッティが開催しているオープンミーティング会場に向かった。
中にはスロスパのメンバーが三人集まっていた。
皆顔見知りだったので、軽く挨拶をしてどういう状況か聞いてみるとIくんが「今日は集まりが悪い日なんです」と申し訳無さそうな顔をしながら答えてくれた。
このミーティングは京都芸術センターの25周年記念イベントにむけたもので、ちょうど25周年を記念する3月16日にどんなイベントを開催するのかを決めていくというものだった。
そのイベントは、またこの先の25年後にも芸術センター50周年企画として再び再演される予定なのだ。
25年の歴史を考えながら、また25年後の自分たちのことも考えていく。
また再演可能な祭りとして催しをどうやって組み上げていくのかを詰めていく。
なんだか気の遠くなりそうな作業だけれども、25年後に残っていそうなもの、消えていそうなものについて考えるのは少し面白かった。
実家にずっとあるカトラリー。
もうリスナーが全滅しそうな演歌。
しぶとく残っていそうな駄菓子。
そんなこんなをかき集めていたらあっという間に夜になり、私は退散した。
焚でのイベントはその翌日にあった。
大宮にある会場に向かうためにその日も私は西に向かって歩いていった。
京都駅エリアと烏丸エリアのちょうど狭間、オフィス街を避けるように歩いていくと、小さな工務店や古い美容室などがゴロゴロと出てきた。
このあたりの建物も25年後にはどうなっているのだろうか。
先日建築をやっている人と話したときに、もう建築を新しく立てる場所が日本にはあまりないのでリノベーションがメインになっていく時代が来るという話を聞いた。
京都は町家の再利用などがすでに多い場所だが、25年後は建物の耐震性などを考えると完全に立て直す必要も増えてくるのだろうか。それとも改装された町家などが増え続けて、伊勢にあるおかげ横丁のようなガワだけ古びたニュータウンになっていくのだろうか。
そんなことを考えながらあるいていると大宮エリアに着いた。
けれどもイベント会場に向かうには少し早い。
ちかくにあったコメダ珈琲にはいって一休みしようかと思ったら、満席どころか10組くらい待っていた。
すぐに店を出た。
喫茶店は好きなのだけれども、喫茶店に入るために並ぶほどの熱量はない。
一休みが目的なのに、なぜそのために並ばないといけないのか。
個々の店舗は満席だったけれども、二条駅方面まで行ってしまえばコメダはもう一店舗ある。そっち側の混み具合をみてみようかと歩いていると、むちゃくちゃ雨が降ってきた。
べらぼーに後悔した。絶対にコメダに並んでいたほうが良かった。
なんならちょっと雪っぽい雨だ。一番嫌なヤツ。
なんとか三条商店街のアーケード内に逃げ込んで、なんでもいいので喫茶店に入って温かいものを飲んだ。
あまりの寒さに体が縮こまり、あまり本を読むきにもなれなかった。
こういうときにポメラがあったら、さっと今日の日記を書けるんだろうな。PCより重くないし。
やっぱりポメラの導入はありだ。
ポメラの購入を決断したころにはイベントの時間になっていた。
すこしあるいて焚まで向かう。雨はもうやんでいた。
焚で開催されていたのは、美術に関わる仕事や作家をしている人たちが、どうやって京都で活動を続けていくのかをレクチャーしたり、意見交換をしていくというものだった。
会場につくと顔見知りが何人もいた。
みんなおんなじ悩みをかかえているんだなと少しホッとした。
現役で作家をしながら大学などで働いている方のレクチャーが終わったあと、参加者たちでゆっくりと喋る時間ができた。
やはりみんな京都で活動をすることになにかしらの居心地の良さを感じているということがわかり、少しうれしく思う。
私は京都のゆったりとしたスピード感が好きで、逆に東京などに行ってしまうとあの商業的なスピードに一気においていかれてしまうような気がしてならないのだ。
作家を続けている友人のシェアアトリエ事情や、これからギャラリーを大阪で立ち上げるという人の話、そしてこれから展示をしたいと会場を探している作家の方など色々と話しをしたり、会場に転がり込んできた柴犬を撫でたりした。
特に大きな成果や実感があったわけではないけれども、参加してよかったという喜びがイベント後には残った。
こういった人とあって喋るイベントが定期的にあると安心を補充することができて嬉しい。
外に出るのはいつも億劫ではあるけれど、誰かと喋るためだったら少しだけドアが軽くなる気がする。